スイカがあれば人は生きていける

カラハリ狩猟民のサン人(かつてブッシュマンと呼ばれていましたが、侮蔑を含む呼称だとして現在はこちらの呼称が一般的)にとって今なお、スイカは貴重な水がめであり、栄養源です。

“池谷和信著(2014)『人間にとってスイカとは何か』臨川書店”によれば、カラハリ狩猟民に日常的に使われるスイカは、日本のスイカのように甘くはありませんが、果肉に灰を混ぜて水を取り出したり、料理や家畜の餌に使ったり、種を石鹸替わりに使ったりと、様々な用途で活用されます。「スイカがあれば人は生きていける」は、サンの村人の言葉だそうです。
生活様式の変化を余儀なくされた今のサン人にとっては、必ずしも現実的な言葉ではないのかもしれませんが、本来、豊かな自然があれば人は生きていけた筈なのに、我々はそこから遠い所に来てしまいました。

野生農園日誌スイカ編は、アフリカの野生スイカから始まり、数千年の時を経て、野生農園の畑で収穫されるまでの長い物語になる予定でしたが、スイカの季節終了につき強制終了。スイカの真実の物語、感動の最終回です。